変哲もない国籍

e0067502_228266.gifガッツリ仕事して
スーパーもとっくに閉まっている時間に帰り
コンビニのメシでは味気ないと思いながら
地元の駅に着くと、
寄ってしまう四川飯店がある。

担々麺がものすごく美味くて
必ずエビスビール(小)と共に注文する。
今夜は、失礼ながら
「ふた昔前にハリウッド映画に出てきた
欧米人の想像する日本人が珍しく一眼レフを首からさげていない感じ」
の中国人青年がホール係として働いていた。
お分かりいただけるだろうか‥このニュアンス。。

その青年の接客に驚いた。
他愛のないことなのだがソツがなく、カタコトであることは
全く気にならなかった。なんというか‥心があるのだ。



ゴトっと言わないように丼の下に添えられた指。
そろそろ辛くなってきた頃に出てきた水。
単に先に出すのを忘れていたのではなく
ビール先に呑みたいじゃん、水は後から冷えたのがいいじゃん
といった自分好みのちょっとしたサービスだった。

サービス、というと大げさに聞こえるが、心得、というか。
これが満卓だったらどうなっているのかはわからないが
少なくとも懸命さ、しかも押し付けがましくない懸命さが伝わる。

来てほしい時にドリンクサーバの前でくっちゃべって
客の挙手に気付かない店員ばかりのナポリ風だか
マルコポーロだかって看板の250m先にあるイタリアンより
段違いで教育がしっかりと成されている。日本で接客の仕事をするには
というより、まず心遣いができない日本人に見せてやりたい。

チェーン店なのだろうか、狭いがいつも小ぎれいにしているし。
うーん、やっぱり美味いなこの担々麺。
「ありがとござマしたー!」厨房からも「ありがとマしたー!」

心の中でほのぼのとツッコんだ。『ゴザイ くらい言え』


居酒屋でバイトをしていた頃、長年働いていたビルマ人が
総入れ替えで中国人ばかりの雇用になったことがあった。
その頃は、とても勤勉だったビルマ(ミャンマー)人に比べ
融通の利かない、社会主義的な中国人の方々の働き方に
少々立腹気味だった覚えがある。相対的に、だ。

多くの中国人の方々に混じって同時期に1人だけ、スミス(仮名)という
黒人男性が洗い場にいた。とてもよく働いていた。
忙しい時に「自分の仕事ちがう」と言ってゆったり座っている
金(仮名)さんが、そのくせスミスに対してえらくデカい態度を
とっていたので一度キレかかったことがあった。

『別に自分は雇い主ではないし、歳は金さんより下だけれども
 なんだか見ていられなくて、物申したい。その前に
 スミスに対してぞんざいな態度を取る理由を聞かせてくれ』

この意味全てを伝えるためにまず時間がかかった。
結局思うように伝わることはなかった。
TUGが何か怒っていることは判ったのだが
金さんはクビになることをまず恐れて
「ごめんなさい」しか言わず先に進まなかったからだ。

スミスは「オレ、大丈夫」と言った。

彼の奥さんは青山でブチックを営んでおり
スミス本人は英語とフランス語が話せるけっこうなインテリだった。
日本で不思議に思うことを色々聞かれてそれが面白かった。
居酒屋でバイトしているのは社会勉強のためだという。
「TUGさんは伝えようとするね。日本人て半分伝えようとしない」

"半分"というのは大方、とかだいたいの人は、とかいう意味だと思う。
もしくは"半分くらいしか気持ちを伝えようとする努力をしない"とか
そのまま"半分しか伝えない"とかいうニュアンスだったのかも。
店長が白人男性のお客さんの対応にスミスを呼び出したとき
「ボスはなぜ自分で少しでも話そうとしない?」と多少呆れていた。

金さんにだっていい所はたくさんあった。
子供の写真を肌身離さず持っていて微笑ましかったし
決められた自分の仕事に対しては確実にこなしていた。
なんだかこう書くと上から見下ろす偉そうな日本人だが
やはりそういう目線で見ていたのだろうか?


これは日本でも受け入れられなそうだ‥‥
気持ち悪いっちゃ気持ち悪い。というか危ない。
中国では不発「フリー・ハグ・キャンペーン」
【路上で見知らぬ人を抱擁して元気づけようという「フリー・ハグ・キャンペーン」は、中国では受け入れられなかったようだ。報道によれば、事情聴取のため警察に連行された参加者も出たそうだ。(中略)
参加者の少女は「一部の人は(抱擁されることを)拒否しましたが、私は1分で20人を抱きしめました」と言っている。

フリー・ハグ・キャンペーンはオーストラリアではじまり、今年ミュージック・ビデオで取り上げられて有名になった。】
1分で20人を抱きしめるなら
1人を20分抱きしめたほうがいい。
なんの変哲もない部屋ん中でいい。
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by taging | 2006-11-03 03:25 | 文化